老後の住み替えを考える ~高齢者施設の選び方・準備ガイド~

~はじめに~
人生の後半を迎えると、多くの人が考え始めるのが「老後の住まいについて」です。特に、高齢になるにつれて自宅での生活が難しくなる場合、安心して過ごせる環境を提供する高齢者施設への住み替えが選択肢に上がります。しかし、この決断には多くの要因を考慮する必要があります。本記事では、高齢者施設への住み替えのメリットとデメリット、選び方のポイント、そして実際に住み替える際の注意点について詳しく解説します。

1. 高齢者施設への住み替えのメリット

1-1.安心・安全な環境

高齢者施設の最大のメリットは、安心して暮らせる環境が整っていることです。施設には医療スタッフや介護士が常駐しており、緊急時には迅速な対応が可能です。また、施設内はバリアフリー設計が施されており、転倒や事故のリスクを大幅に軽減できます。これにより、高齢者が自宅で生活する場合の不安を軽減し、安全で快適な生活を送ることができます。

1-2. 介護サービスの充実

高齢者施設では、個々の健康状態や介護度に応じた適切な介護サービスが提供されます。日常生活のサポートから、食事の提供、入浴介助、リハビリテーションなど、幅広いサービスを受けることができるため、自宅での介護が難しい場合でも安心して暮らすことが可能です。また、施設によっては認知症ケアやリハビリ特化型のサービスを提供している場合もあり、個々のニーズに合わせたサポートが受けられます。

1-3. 施設内の方との交流の機会

高齢者施設では、同世代の入居者と交流する機会が多くあります。レクリエーションや趣味活動を通じて、新しい友人を作ったり、社会的な繋がりを持つことができるため、孤独感を感じることなく充実した日々を過ごすことができます。また、施設内によっては、イベントや季節の行事も多く、楽しみながら生活できる環境が整っています。

2. 高齢者施設への住み替えのデメリット

2-1. 経済的負担

高齢者施設への住み替えには、一定の費用がかかります。施設の種類や立地、提供されるサービスの内容によって費用は大きく異なりますが、入居一時金や月額利用料などの費用が発生します。これにより、家計に負担がかかる可能性があるため、事前に資金計画を立てることが重要です。また、長期間にわたる入居を想定する場合、年金や貯蓄だけで賄えるかどうかを慎重に検討する必要があります。

2-2. 自由度の制限

高齢者施設では、施設のルールやスケジュールに従って生活する必要があります。これにより、自宅での自由な生活に比べて自由度が制限されると感じる場合があります。また、家族との面会や外出に制限がある場合もあり、これがストレスとなることがあります。そのため、自宅での生活に強いこだわりがある方には、施設での生活が難しく感じる場合もあります。その場合は自宅に住み続ける事を推奨しております。

2-3. 環境の変化に対する適応

新しい環境への適応は、高齢者にとって大きな課題となることがあります。長年住み慣れた自宅を離れ、新しい場所で生活を始めることは、心理的な負担となることがあり、特に初期の段階ではストレスを感じることが少なくありません。さらに、新しい人間関係や生活リズムに慣れるまでには時間がかかる場合もあります。このような変化に対して、十分なサポートが必要です。

3. 高齢者施設の選び方のポイント

3-1. 施設の種類と特徴を理解する

高齢者施設には、民間施設が運営している有料老人ホーム、グループホーム、サービス付き高齢者向け住宅など、さまざまな種類があります。それぞれの施設には特徴や提供されるサービスに違いがあり、入居者のニーズや健康状態に応じて選ぶことが重要です。例えば、日常的な介護が必要な場合は、介護付き有料老人ホームが適しており、自立した生活を送りたい場合はサービス付き高齢者向け住宅が選択肢となります。

3-2. 施設見学とスタッフとのコミュニケーション

施設を選ぶ際には、実際に施設を見学し、スタッフと直接話をすることが大切です。施設内の環境や清潔さ、スタッフの対応、入居者の様子などを確認することで、自分に合った施設かどうかを判断できます。また、スタッフとのコミュニケーションを通じて、施設の雰囲気やサービス内容について詳しく知ることができます。疑問点や不安がある場合は、遠慮せずに質問し、納得した上で決定することが重要です。当相談室では、希望する施設の空き室がある場合には、1泊の『体験入居』をお勧めしています。実際に体験入居することによって、施設スタッフの対応や施設の雰囲気が感じ取れます。

3-3. 料金体系の確認と資金計画

施設選びの際には、料金体系を詳しく確認し、資金計画を立てることが重要です。入居時の一時金や月額利用料、追加費用の有無などを把握し、長期的に無理のない支払いができるかどうかを検討する必要があります。また、家族や専門家と相談しながら、年金や貯蓄、保険などを活用して、安定した資金計画を立てること求められます。当相談室では、チームに在籍している1級ファイナンシャル・プランニング技能士の専門家と相談しながら、高齢者施設に入居した後のライフプランについてシュミレーションが可能となっています。

老後のライフプランの詳しい記事はこちらから確認出来ます。
老後のライフプランについて

4. 高齢者施設への住み替えの手続きと準備

4-1. 住み替えのタイミングと準備

高齢者施設への住み替えを考える際には、適切なタイミングで準備を進めることが大切です。例えば、健康状態が悪化する前や、自宅での生活が難しくなる前に計画的に準備を進めることで、急な対応を避け、スムーズに住み替えが進められます。また、住み替えに伴う荷物の整理や、役所での手続きも必要となるため、家族や専門家と連携して準備を進めることが重要です。

4-2.持ち家の売却のタイミング

自宅が持ち家の場合には、自宅を売却した代金を、施設への入所金にあてる方が多いです。その為、自宅の査定を不動産会社にお願いして、およその売却額を把握したうえで、高齢者施設の予算を決めて探される方が多いです。その為、自宅の売却は不動産会社、高齢者施設を探すのはご自身となると、労力が倍になって疲れてしまうので、両方を兼務出来るワンストップで対応出来る窓口を選ばれるのが良いと思います。

4-3. 家族との相談とサポート

住み替えを決断する際には、家族との相談が欠かせません。家族の意見やサポートを受けながら、最適な施設を選び、住み替えを進めることが大切です。また、住み替え後も家族との連絡や面会を継続することで、新しい生活に対する不安を軽減し、心理的な支えを得ることができます。家族の協力が、高齢者の新しい生活を成功させる大きな要因となります。私のお勧めは、家族が負担なく訪問出来る様に、例えば車で片道1時間程度の距離感の施設をお勧めします。家族と余りにも遠い施設に入居すると、家族も面倒になり、中々会いに行かなくる例もあります。

5. まとめ

高齢者施設への住み替えは、老後の生活を安心して送るための重要な選択肢です。しかし、この決断には多くの要素を考慮する必要があります。メリットとデメリットを理解し、最適な施設を選ぶためには、十分な情報収集と家族との相談が欠かせません。高齢者施設への住み替えを成功させるためには、計画的に準備を進め、自分に合った施設を選び、安心して新しい生活をスタートさせることが大切です。

以上最後までお読みいただき有難う御座いました。

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遠藤 崇仁
不動産
終活・相続に役立つ不動産の記事をお届けします。

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