~相談事例~
場所:東京都小金井市
相談者:男性(68才)
自宅:戸建て(おひとりでお住まい)
相談内容:遺産分割に伴う代償金準備のための資金調達
お父さまが亡くなられ、同居していたお兄さまがご自宅を相続することになり、
「相続財産が不動産のみで預貯金がないから、他の兄弟には、どうすれば良いのか」
「自分は今の自宅に住み続けたい・・・」
とご不安で相談にこられました。
相続財産の大半が土地や建物などの分割しにくい財産の場合、ご兄弟とどのように遺産分割したら不公平感がなくなるのでしょうか。不動産などの財産を現物で受け取る代わりに、他の相続人に支払う金銭を「代償金」といいます。
目次
1.リースバックを検討する
リースバックとは、自宅を売却した後も、家賃を払うことによって、そのまま住み続けれるシステムです。更に、リースバックには買い戻しが出来る特約も付きますので、将来本人が希望すれば自宅を買い戻すことも可能です。そこで、今回下記の事を事前に明確にしました。
・自宅を売却したお金で代償金を準備する
・本人はそのまま住み続けたい(ペットも飼っているので引っ越したくない)
・家賃が今後払っていけるかの老後ライフプランをシュミレーションする
・買い戻しも視野に入れている
2.自宅の机上査定
先ずは、自宅を机上査定しました。そこで、判明したのが、ご自宅が違法建築物件(建蔽率・容積率オーバー)でした。つまり、この場合、仮に市場売却しても、銀行の融資がおりないので、中々一般の方が買えない不動産でした。これはリースバックでの買取りを行う不動産会社も同様です。しかし、当社で懇意にしている、あるリースバック会社で状況を説明し、内々で承諾を頂き、ことなきを得ました。
・違反建築物件が判明
・通常売却では銀行融資が降りづらい
・違反建築物件でもOKのリースバック会社と交渉
1)机上査定結果
・買取り金額:3,000万円
・家賃:14万円
・買い戻し金額:3,600万円
3.自分に合った解決策かを確認する
今回の相談者の方は、最終的にリースバックでの解決策を選びました。その理由としては、先ずペットを飼っていて、仮に引っ越しする場合、ペット可の賃貸物件が無さそうであったのと、ずっとお父様と住んでいた自宅に愛着があった為、そのまま住み続けたいからです。
・ペットを飼っていたので引っ越ししたくなかった
・自宅に愛着があった
・老後のライフプランを作成して、家賃も払える額であった
4.リースバックを検討する際の注意点
いくつかの注意点がありますので必ず事前にご確認ください。
1)本当に住み続けたいのか?
高齢者の方がリースバックで後悔しないためには、今の自宅に本当に住み続けたいのかが最も重要です。リースバックはどうしても家賃が発生してしまいます。住宅ローンを払っていない場合は、今後は家賃という毎月の新たな支出が伴います。現在の収入源と今後の支出を試算し、慎重に選ぶようにしましょう。
2)違反建築物件でないか?
相続に伴い、不動産査定を行っていると、昔の戸建ての場合、よく違反建築物件の場合が多々あります。その場合、通常では売るのが難しく、尚且つリースバックも出来ない事があります。そこで、今回の相談者の方の様に、先ずはリースバックを熟知している専門家に相談してください。
3)専門家のアドバイスを活用する
自分一人で相続対策が不安な場合は、相続の専門家のアドバイスを受けることが大切です。プロの意見を参考にし、自分に合った商品や解決策を選びましょう。特に中立の立場からアドバイスが出来る専門家がベストです。
5.まとめ:リースバックを利用した相続対策
相続税対策では、単に不動産売却だけではありません。慎重に情報を探し、目的に合わせた相続対策行うことが大切です。これだけインターネットが普及している中で、本当の相続専門家を見つけるのが難しいですが、自分に合った解決方法を見つけ、安心した老後を手に入れる一助にしてください。
リースバックについてもっと詳しく知りたい方はお気軽にご連絡ください。